コラム その4

◆その4

 

平成23年12月2日以降に期限が到来する国税については、更正の請求が出来る期間が

法定申告期限から原則として5年間に延長されました。

また、更正の請求に際しては、更正の請求の理由の基礎となる「事実を証明する書類」の

添付が必要となることが明確化されました。

したがって、相続税の更正の請求をする場合は、「鑑定評価書」や「広大地の意見書」等

を添付する必要があります。

以下に、更正の請求に関する裁判所の判断例をいくつか紹介します。

①●●高等裁判所・平成17年2月23日

課税庁は財産評価基本通達に定められた評価方法とは異なる他の評価方法、たとえ

ば不動産鑑定士による合理性を有する鑑定評価書等の根拠資料に基づいて、当該更正

処分に課税価格ないし税額の過大認定の違法があることを主張し反証することができ

る。

②●●高等裁判所・平成18年3月28日

実質的な租税負担の公平を著しく害し、法の趣旨および本件通達の趣旨に反するこ

ととなるなど、本件通達に定める評価方式によらないことが正当と是認されるような

特別な事情がある場合には、他の合理的な評価方式によることが許されるべきである。

③平成17年7月1日裁決

評価通達に基づき算定された土地等の評価額が客観的交換価値を上回る場合、評

価通達に基づく評価方法によらず、その他の合理的な評価方法により評価することが

できる。

④平成18年3月15日裁決

評価通達等により算定される土地の評価額が客観的交換価値を上回っているといえ

るためには、これを下回る鑑定評価書が存在し、その鑑定評価書が一応公正妥当な鑑

定理論に従っているというのみで足りず、同一の土地についてほかの不動産鑑定士鑑

定評価書があればそれと比較して、また、周辺における公示価格や都道府県地価調査

による基準地の標準価格の状況、近隣おける取引事例等の諸資料に照らして評価通

達等により算定された土地の評価額が客観的交換価値を上回ることが明らかであると

認められるものが更正の請求が許される。

上記の判断例は概して、鑑定評価額が財産評価基本通達の価格を下回る場合は、更正の

請求を認めています。

しかし、④の裁決は、納税者と税務当局の複数の鑑定評価書を比較すると同時に、公示

価格、基準地価格、近隣の取引事例等を勘案することにより判断するとしており、更正の

請求のハードルはかなり高いといえます。