相続対策について

相続対策について多くの人から質問を受けますが、それは「<太字>相続税</太字>」対策であるケースが多いようです。しかし私が長い間家庭裁判所の調停委員をして気づく事は、もっと深刻なのは「<太字>争続</太字>」対策であるということです。現在相続税がかかるケースの割合は100人のうちほんの約4.2人です。つまり5000万円の基礎控除額等があり相続税はほとんどの人がかからないのですが、それに対し争続に対しての争いは後を絶ちません。争いの中身としては、次男である自分は親の面倒を長年見てあげたのに、何も面倒を見ない長男が財産を取りすぎたというケースや、相続する財産が一つであるケースが多くあります。

私の友達の税理士は次男で、長男が弁護士で三男がサラリーマン、そしてその父は税理士事務所を自宅兼事務所として持っていました。次男が税理士事務所を継いでいたのですが、父の死亡後、三人で自宅兼事務所の取り合いになりました。その時、私の友達である税理士が、「父がしっかりと自分を後継者として遺言書を書いてくれていたらこんなことにはならなかったのに。」としみじみ言った事が忘れられません。

私はこのような紛争を予防するのも両親の務めであると思っています。財産分割の原則は両親の面倒をみる兄弟に対してはより多くの財産を、両親を粗末にする兄弟には財産をあげないか、少ない財産しかあげないようにする事が公平性の原則から言って妥当性があるといえます。私の経験から言うと、親の面倒をみない兄弟ほど、より多くの財産を要求してくるのが実際です。母が危篤なのに海外旅行に行って母の死に目に会えなかったにもかかわらず、最終的にはその人が一番財産を要求してくるケース等、枚挙にいとまがありません。生前に争続対策を行っていくのも父母の務めであると思っています。

遺言書の作成、相続精算課税制度等の生前贈与の最善の方法を選択にあげるのも私の仕事であると思っています。

本当に恐ろしいのは本性むき出しの遺産分割です。一つの土地に対する複数の相続人が権利を主張するケースで、これも本来生前に解決すべき問題であると思われます。